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「アルジャーノンに花束を」読了

あまりに刺さったので衝動に任せて感想を書きなぐってます。ネタバレは配慮しません。
ヨルシカから入りました。どうもミーハーです。

知的障害の主人公がIQを上げる手術を受けて天才になるものの、また元のIQに戻ってしまう話。
他の方も仰ってる通り、日本語訳がすごい。子供みたいな文体からどんどん複雑な文章に変わっていき、また元の文体に戻っていく演出にゾワゾワする。

ちょっとだけ自分語りを挟みますが、私自身も発達障害で、馬鹿な自分から抜け出したくてガリ勉気質になって(気質がガリ勉なだけで実際に勉強ができたわけではない)、無自覚のうちに知識を盾にしてマウントを取ってしまったことがたくさんあります。でも、知識が増えても感情や経験値もそれに連動するわけではないんだよな…結局重要なのは知識の受け皿になる心なのかもしれない。

天才になって親に認められたかっただけなのにIQが上がるにつれて知らない方が幸せだった現実を知ってしまい、知的障害の自分と天才の自分、どっちが本当の自分なのか分からなくなっていく主人公が痛ましかった…
後半はそんな思いをして手に入れた知能を手放したくないと、懸命に書き留めようとする文体に心をえぐられる。それでも最後に残ったものは何か…とそんなことを考えさせられるお話でした。

自分自身にも肝に銘じたいし、何年か経ってからまた違う視点で読み返したい。

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