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刀剣勤王維新録―袖解橋の怪奇談― あとがき

お久しぶりです。ゆづりです。

本日怪奇談3話を公開しました。
そんな今日は2月13日は児玉愛二郎さんのご命日でもあります。
そして怪奇談1話の前半を公開した日でもあります。なんと完結まで丸一年かかっちまった。
前回の2話からかなり間があいて申し訳ありません…
短いようで長かった怪奇談、やっと終わりました。

歴史に触れるとありとあらゆる組織や国家の対立を目にしますが、
どちらか一方の視点に感情移入しすぎると
「あいつらひどい!!」ともう一方を袋叩きにしたくなることもあるよね、
でも実際の歴史はそんな単純なものじゃないよね。
ということが描きたかったのが怪奇談でした。
一見正しく見える人も別のところでは誰かに危害を加えていたり、悪人に見える人にも実はいい一面があったり。
それが積み重なることで、見る人によって解釈が変わる。
それが歴史の面白さだと思っています。

「誰が悪い」と一方的な視点で見るのではなく、双方の視点に立ってフラットに歴史を見れば、また見えるものも変わってくるのではないか。
そして、それは現実の人間関係にも言えることではないかと。

後悔していること。
根に持っていること。
喧嘩別れになったこと。

そんなやむにやまれない思い出は、多かれ少なかれ誰にでもあるのではないでしょうか。
私が児玉愛二郎さんに興味を持ったのは、史料から伝わる彼のやむにやまれない後悔や自責の感情に、私も自分の体験を重ねて深く共感したからかもしれません。

元々は「愛二郎さんの心理が描きたい」と思って描き始めたものでしたが、
実はそんな自分自身に「誰も悪くないんだ」と言い聞かせるために描いたのかもしれない…と終わってみて思います。

要約すると双方の視点に立ってフラットに歴史を見ようぜ!ということが伝えたかったのですが、果たして作中でそれを実行できたのか、私があいじろ推しなのであいじろ視点に偏りすぎてはいないか…
今の時点では分からないことだらけですが、やれることはやりきりました。
それがどのように伝わるかは、読者の皆様に委ねようと思います。

長くなりましたが、最後まで怪奇談を読んでいただき本当にありがとうございました!
元々風呂敷を広げるのは好きでも畳むのはすこぶる苦手な人間なので、当初予定していた以上に3話の公開まで時間がかかってしまいました。
本当は去年の9月26日に公開したかったのに、普通に年を跨いでしまった…
お待たせしてしまって大変申し訳ありません。
とはいえ、愛二郎さんの命日に始まり命日に終わるのもそれはそれで怪奇談らしい終わり方だったのかな、とも思っています。

この1年間、怪奇談にお付き合いくださった皆様に心からの感謝を。
次回作以降、また何かのご縁でお会いできることを願っております!

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